【#Metoo】伊藤詩織さん勝訴 母は「想像してほしい。わが子に性被害が降りかかったことを」
1: 名無し暇つぶさん 2019/12/18(水) 18:32:38.10 id:Ub3FxwYg9
「この字を見たら実感してきました」
12月18日午前10時半過ぎ、東京地裁の前。ジャーナリストの伊藤詩織さん(30)は、「勝訴」と書かれた紙を手に、目を潤ませ語った。
伊藤さんが元TBS記者の山口敬之氏(53)から性暴力被害を受けたとして、慰謝料など1100万円の損害賠償を求めた裁判。鈴木昭洋裁判長は、330万円の支払いを命じ、山口氏の「反訴」も棄却した。
裁判所の前で取材に応じた詩織さんは、勝訴の感想を聞かれ、言葉を詰まらせながらこう答えた。
「まだどう感じていいかわからないので。ただ、法廷から出てきた時に、ずっと支援してくださった方がハグをしてくださって。一つのピリオドをつけることができたと思います」
伊藤さんは2015年4月、就職相談のため、元TBS記者の山口氏と都内で食事をした。その際、意識を失い望まない性行為を強要されたとして警察に告訴。山口氏は準強姦容疑で捜査されたが嫌疑不十分で不起訴処分になった。検察審査会に不服を申し立てたが、17年9月に出た議決は「不起訴相当」。
これを受け伊藤さんは17年9月、「望まない性行為で精神的苦痛を受けた」として、民事訴訟に踏み切った。それと同時に、レイプ被害を実名で告発した。勇気ある行動は、性被害を受けても泣き寝入りしないという「#MeToo」運動のうねりを日本社会にも巻き起こした。
裁判所前には、多くの支援者も駆けつけた。支援者の女性(71)は喜んだ。
「本当によかった。日本の司法が良識を示してくれたと思います」
伊藤さんは言う。
「私が経験したのは性暴力でしたけれど、その後の社会的環境や性暴力被害者が置かれている環境は本当に遅れていると思います」
勝訴したが、これが終わりではない。これがきっかけとなり、今まで出てこなかった証拠や証言が出てきてほしいと語った。
「長かったです……。私の見ているこの景色は、以前と全く違うもの。まだまだ司法がきちんと関わらなければ、こういう事件はなかったことにされてしまう。法律、報道の仕方、教育。まだまだ宿題はあると思いますが、これを1つのマイルストーンとして、皆さんと1つ1つ考えていけたら」
この日、伊藤さんの母親(57)も初めて裁判を傍聴した。判決の後、娘についてこう話した。
「娘の勇気を誇らしく思っています。心配もありましたけど、よく頑張ったとほめてあげたいと思います」
伊藤さんがここまで頑張れた理由について、母は静かに語った。
「被害がなかったことにしたくなかった、昔から正義感の強い子どもだったのでそれを隠して生きていくことが彼女にはできなかったのだと思います」
山口氏についてはこう感情をぶつけた。
「あなたにもし娘がいたらと、想像してほしい。わが子に性被害が降りかかったら、親なら胸が張り裂ける思いです」
同日午後、山口氏は判決をうけて会見を開き、控訴するとした。
「私は法に触れる行いは一切していません」
そう語り、「裁判では客観的証拠が検証されることなく事実認定されたことが不服だ」と主張した。
(文/編集部・野村昌二)
※AERAオンライン限定記事
2019/12/18 14:10
https://dot.asahi.com/aera/2019121800036.html
12月18日午前10時半過ぎ、東京地裁の前。ジャーナリストの伊藤詩織さん(30)は、「勝訴」と書かれた紙を手に、目を潤ませ語った。
伊藤さんが元TBS記者の山口敬之氏(53)から性暴力被害を受けたとして、慰謝料など1100万円の損害賠償を求めた裁判。鈴木昭洋裁判長は、330万円の支払いを命じ、山口氏の「反訴」も棄却した。
裁判所の前で取材に応じた詩織さんは、勝訴の感想を聞かれ、言葉を詰まらせながらこう答えた。
「まだどう感じていいかわからないので。ただ、法廷から出てきた時に、ずっと支援してくださった方がハグをしてくださって。一つのピリオドをつけることができたと思います」
伊藤さんは2015年4月、就職相談のため、元TBS記者の山口氏と都内で食事をした。その際、意識を失い望まない性行為を強要されたとして警察に告訴。山口氏は準強姦容疑で捜査されたが嫌疑不十分で不起訴処分になった。検察審査会に不服を申し立てたが、17年9月に出た議決は「不起訴相当」。
これを受け伊藤さんは17年9月、「望まない性行為で精神的苦痛を受けた」として、民事訴訟に踏み切った。それと同時に、レイプ被害を実名で告発した。勇気ある行動は、性被害を受けても泣き寝入りしないという「#MeToo」運動のうねりを日本社会にも巻き起こした。
裁判所前には、多くの支援者も駆けつけた。支援者の女性(71)は喜んだ。
「本当によかった。日本の司法が良識を示してくれたと思います」
伊藤さんは言う。
「私が経験したのは性暴力でしたけれど、その後の社会的環境や性暴力被害者が置かれている環境は本当に遅れていると思います」
勝訴したが、これが終わりではない。これがきっかけとなり、今まで出てこなかった証拠や証言が出てきてほしいと語った。
「長かったです……。私の見ているこの景色は、以前と全く違うもの。まだまだ司法がきちんと関わらなければ、こういう事件はなかったことにされてしまう。法律、報道の仕方、教育。まだまだ宿題はあると思いますが、これを1つのマイルストーンとして、皆さんと1つ1つ考えていけたら」
この日、伊藤さんの母親(57)も初めて裁判を傍聴した。判決の後、娘についてこう話した。
「娘の勇気を誇らしく思っています。心配もありましたけど、よく頑張ったとほめてあげたいと思います」
伊藤さんがここまで頑張れた理由について、母は静かに語った。
「被害がなかったことにしたくなかった、昔から正義感の強い子どもだったのでそれを隠して生きていくことが彼女にはできなかったのだと思います」
山口氏についてはこう感情をぶつけた。
「あなたにもし娘がいたらと、想像してほしい。わが子に性被害が降りかかったら、親なら胸が張り裂ける思いです」
同日午後、山口氏は判決をうけて会見を開き、控訴するとした。
「私は法に触れる行いは一切していません」
そう語り、「裁判では客観的証拠が検証されることなく事実認定されたことが不服だ」と主張した。
(文/編集部・野村昌二)
※AERAオンライン限定記事
2019/12/18 14:10
https://dot.asahi.com/aera/2019121800036.html
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